2007年12月30日

そこの角を曲がったら

 このひと月ほどは、過去からの亡霊にすっかり囚われていて、たぶん来年の2月かもっと先まで続きそうなんですが、そんなアホなことをしている間に、大変なことが起きていましたのです。なんと、

 うちのだんなさんが、FFXIを始めました (いやもう、笑うしかない)

 モンハンフロンティアの猟団のメンバーに誘われたかららしいのですが、いやはや、本当に人生はその角曲がったら何があるかわかったもんじゃないです。ただ、それほどハマっているわけではない感じ。モンハンポータブル2ndGが出たら、やらなくなる可能性大です (なんといってもオトモアイルーが!)。

 年の暮れなのにまったくそれっぽくない状態ですが、こんなページを読んで下さる方と親兄弟と友だちみんなに、よい年が来ますように。そしてマイペースすぎる夫婦が、来年も無事生きていけますように。

12月 30, 2007 なにげない出来事 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年11月25日

25年目のお茶会

私と妹には
死ぬ前にかなえたい願いがあるのです
奇妙に聞こえるかもしれない
気がふれていると思うかもしれない
でも、どうぞなぜかとたずねないでほしい
雲が広がる空の下
私たち姉妹はこの奇妙な考えの虜になっている
あなたにはそのわけがわかるでしょうか

サハラ砂漠でお茶を
あなたとサハラ砂漠でお茶をご一緒したいのです

若者はうなずき、
姉妹の願いをかなえた
すると姉妹は彼を楽しませようと舞を舞った
はかりしれないほどの喜びをこめて
そしてこの場所で若者を待つと
毎年同じ場所で待つと
雲が広がる空の下
若者は砂漠をこえて飛んでくるだろう

サハラ砂漠でお茶を
あなたとサハラ砂漠でお茶を

でも空の色は暗く変わった
あの人はもどってくるだろうか
姉妹は砂丘の高みにのぼり
月に祈りをささげる
けれど、彼は二度と戻らないだろう
そして姉妹は焦がれ果てるだろう
目をこらして地を探しもとめるうちに
彼女らの茶器には砂が満ちるままに

サハラ砂漠でお茶を
あなたとサハラ砂漠でお茶を

 "Tea In The Sahara"  The Police  "Synchronicity" より引用 訳は拙訳

 守られない約束は多い、と思う。特にそれがロック・スターのしたものならば。でも少々歳を取った今だからそう考えられるのであって、25年前にはこれっぽっちも疑っていなかった。彼らは、The Policeの3人は、2度目に来日した時に言ったのだ。「また来年日本に行くよ」と。でも彼らは来なかった。4作目の "Ghost In The Machine" を出しても来なかった。

 そして "Synchronicity" が出た。アルバムは素晴らしいものだった。でも、当時はまり込んでいたファンはおそらくみな気づいていたと思う。 "Synchronicity" は別れのアルバムだと。さようならのサインが詩とメロディーのあちこちに書いてあった。もちろん悲しかったけどアルバムが本当に素晴らしくて、これだけきちんとお別れを言ってくれてありがとうという気持ちでいっぱいだった。

 だから今度こそ、今度こそ来てくれると思ったのだ。10代の3年間は大きい。高校生が大学生になっていたりする。彼らのステージをやっと最後に観られると一日千秋の想いで待っていた。

 けれど、3人はとうとう来なかった。オーストラリアで力つきてしまった。

 そして今年、スティングがずっと避けていたはずの再結成をし、ワールドツアーをし、来年日本に来るという。2008年は1983年の代わりには決してなれないし、やっぱりどうしてもリユニオンした3人はThe Policeとは思えない。でも、矛盾してるとわかっているのだけど、心の中で、ものすごい形相をした18歳のもう一人の自分がこう言っていた。

 「観たいなら観たいって正直に言えば?そして来るというなら借りを返してもらいなさいよ」

 ただのファンが借りもなにもないと思うけど、アメリカやヨーロッパのファンは、少なくともシンクロニシティーツアーで彼らにさよならを言う機会があった。日本のファンはそれすらないまま、サハラの姉妹のように砂丘に残されていたのだ。OK、素直になりましょう。ずっと喉がカラカラで死にそう、というか死んでました。あなたたちが突然来るというから、ゾンビのように起き上がりました。

 今度こそ何がなんでも一緒にお茶を飲んでもらいます。

 (蛇足:問題は体力的にホントに大丈夫なのかってことです。当日までまったく安心できません)

11月 25, 2007 80'sまでのロック・ポップス | | コメント (3) | トラックバック (0)

2007年11月16日

You have to be gutsy

 矢作俊彦さんの「マンハッタン・オプ」がソフトバンクから再販されていたので、思わず買って今読んでます。「マンハッタン・オプ」については以前の日記でふれたことがありますが、小説とFM放送当時の台本のストーリーってまったく同じなのかしら。あんなに熱心に聴いていたのに、なぜか話の筋をほとんど覚えてないのですよね。

 「古典を読む」がテーマだったのにいつのまにか「ハードボイルドを読む」になってます。

11月 16, 2007 書籍・読書 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年10月27日

むかし洋楽その(12)― The Police "Ghost In The Machine" ―

ねじれくれて発展したこの世界を
政治的に正す方法はない
国を信頼する気持ちはなく
流血の革命もすでにない

俺たちは物あふるる世界をさまよう亡霊だ

   "Spirits In The Material World" より抜粋、拙訳

座ってる時には色々アイデアを思いつくんだ
立ち上がって初めて足元のひびに気がつくってわけさ
もう二度と朝目が覚めなければいいと思う
人生が退屈だったら、もっと楽に生きられたのに

   "Darkness" より抜粋、拙訳

 The Policeが再結成して世界中を巡っているらしい。日本にも来年の2月頃に来るそうだ。そのニュースを知ったとき、思わずため息をついてしまった。これほど再結成に意味がないバンドもないだろう。それは彼らが歳を取ったからとか、ギターやドラムの腕が落ちてるんじゃないかとか、そういうことではない。もちろん歳月は関係あるが、彼らが60歳近いからということではない。

 スティングとアンディとスチュワートが集まってももう二度とThe Policeにはなれないからだ。

 冒頭の拙訳は彼らの4枚目のアルバム「Ghost In The Machine」の最初と最後に収められた曲である。上ので始まって下ので終わる。まあ、こんな抜粋じゃ雰囲気のかけらも伝えられないのだが、歌詞から少しはうかがえるように、このアルバムはとにかく暗い。本当に暗い。10代の女の子が聴くにはちょっと危険なくらい暗い。音が暗いのではなく、歌のモチーフが不機嫌な怒りに満ちているのだ。ちなみにジャケットも真っ黒だ。真っ黒の上に壊れたデジタル時計のような表示が意味不明に赤く点灯しているという趣向だった。

 あの不機嫌な怒りはどこからきたのだろうか。当時彼らが置かれていた精神的な閉塞感もあっただろう。バンドがビッグネームになり、自由と時間は少なくなってプレッシャーは当然増えていた。また、スティングはこの手の怒りが創作活動のエネルギーになるタイプだった。けれどなによりも、この怒りは一見普遍的に見えて、80年代の頭という時代の空気と密接な関係にあったと思う。スティングとアンディとスチュワートは、あの時代にその想いをやたら吐き散らかしたからこそ、The Policeになったのだ。だから、怒りと孤独感だらけの曲に多くの人が魅かれずにはいられなかった。

 The Policeというバンドは色々な部分であの時代に固くリンクされているのだ。バンドの寿命が短かったのもそこに根があるのだと思う。時代と彼らのどちらが欠けても、絶対にThe Policeにはなり得ないのだ。

 彼らが懐かしさで集まってセッションをやるのはもちろん理解できる。それは人間としていたって普通の行動だ。だって同窓会みたいなものだから。でもそれはThe Policeじゃない。だからThe Policeだと言ってコンサートをするのは限りなく悲しいだけだ。

 (彼らだけはそんなかっこ悪いことはしないと思っていたのに。それにちょこっと恨みごとを言わせてもらうなら、今じゃなくてシンクロニシティーツアーの時に来てほしかったよ)

10月 27, 2007 80'sまでのロック・ポップス | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年9月17日

Autumn Willow

 やれやれ、なんだか今年はひどい夏バテになってしまいましたよ。気がつけばここも2ヶ月ほどほったらかしです。なにしろ夏中ずっと、仕事に行って帰ってくるのがやっとという状態。必要最低限の家事しかしていないのに、10時ごろになると身体が沈みこむようにだるくなっていたのです。今住んでいる岐阜は関東より湿度が高くて暑い気がするんですが、それでも去年のほうが暑さは上だったと思うんですよね。なのになぜか夏バテは今年のほうが強烈です。

 食欲も一応落ちてるんですが、そもそも元が健啖家(といえば聞こえはいいけど、要するに大食い)なので、下がって普通の人と同じレベルになってます(笑)。そして基礎代謝も落ちているので体重は落ちません。いや落ちないどころかじりじりと増えやがりました。でも胃もたれはする。まったくコマッタもんです。

 今週末はまた蒸し暑くなったものの、ここ数日でめっきり秋めいてきたので、どうにかだるさはぬけました。しかし、最近の夏は夕立すら降らないので、秋になる前から桜の木が葉っぱを落としてます。柳の葉もしおしおで元気がない様子。草木の多くがバテて元気がなく、そして色あせているのでした。

 タイトルは、Magic the Gatheringという、非常に有名なトレーディングカードゲームに出てくる古ーいカードの名前です(たぶんここを読んでくれる人の8割は知っているはず)。緑うるわしき世界の精霊やら妖精やらの太母様のことで、なかなかに強いお方。あらゆる魔法の影響をいっさい受けつけません。まあ、よい効果をもたらす魔法も効かないのですけどね。直訳すると「秋の柳」。しおしおの柳ではなく、しなやかで強いこの太母様みたいになりたいものです。

9月 17, 2007 なにげない出来事, ゲーム | | コメント (4) | トラックバック (0)

2007年7月22日

けむりあな

「そういうインディアンたちには特別の儀式があったんだ。クラブハウスができて、そのことを思い出した。なにか重大な決定をするときは――バッファローの群れを追うべきか、新しい水を見つけにいくべきか、敵と闘うべきかというようなときにね――いつも地面に大きな穴を掘って、そいつを木の枝でおおうんだ。小さい穴を残して」
「け、け、けむりあな」ビルが言った。

スティーヴン・キング作 小尾芙佐訳 「IT」より引用 (文春文庫版)

 暑いのはまだいいとして、ジメジメした梅雨はどうにも気持ちがふさいでしかたありません。少しはなぐさめになるかと、インセンスを焚くことにしました。ところが、家にあるのはエスニック系の甘い香りのものばかり。もうちょっとすっきりした香りのものが欲しいなぁと考えるうち、以前ネィティヴアメリカンのジュエリーを買ったお店にインセンスがあったのを思い出しました。確か松や杉のものがあったはず、とページを見てみると、インセンスはもちろん、素焼きの素朴でいい感じのバーナーもあります。お香もセットになっていたため、ついつい2個も買ってしまいました。そのうちのひとつがこれ。

Kiva  ※ちょっと画像いじりました

 ネイティヴアメリカンが儀式を行う神聖な場所をかたどったものだそうで、キヴァというそうです。地下に穴を掘り、枝などで上に屋根を葺いてあるとのこと。そこで思い出したのが「IT」の中にある、冒頭の引用部分でした。

 ものがたりの少年少女たちは、何かに導かれるようにキヴァのことを知り、ある目的のためにみずからキヴァを作って中に降り、煙で燻して幻視を見るという儀式を行うのです。「IT」の中で私が最も好きな場面のひとつなのですが、文中にキヴァという名前は出てきません。このインセンスバーナーを見て初めて名前があることを知りました。

 セットになっていたインセンスはPinon(松)とCedar(杉)。両方ともちょっと甘い木の香りがします。形も独特で、普通アジアンなインセンスは線香かコーンの形をしていますが、これは幅と厚みが1cm、長さが3cmくらいの棒状です。おがくずをぎゅっと圧縮したような感じで、この時点からなんとなくデジャヴな気分…と思っていたのですが、火をつけて焚いてみて納得しました。

 これは、燻製のチップにそっくりだ(笑)。

 まとめて焚いたら本当に燻製ができちゃいそうな香りで、立ち上る煙もお香のようなかぼそさがなく、元気イッパイもくもく出る感じです。ヘタなところに置くと、火災報知器が鳴っちゃうかもしれません。でもとても香ばしくて、玄関がいくぶんすっきりしました。

 そういえば、「IT」の中でも季節は夏、夏休みの間の出来事が書かれていましたっけ。蝉も鳴きはじめたし、梅雨もそろそろ明けそうです。

7月 22, 2007 言葉・コトバ | | コメント (2) | トラックバック (0)

2007年6月16日

Do Ya Think I'm Crazy?

 少し前にiTunes Music Storeにやっとワーナーものが入りました。さっそく見てみると、出るわ出るわ、首をながーくして待っていた曲がごっそり追加されてます。ざっとチェックしただけでもこんな感じ。

Foreigner
Stevie NicksとFleetwood Mac系(リンジー・バッキンガムもバッチリ)
Rod Stewart
The Kinks(…!いつのまにか追加されてて、おばさんビックリですよ)
Donald Fagen(New FrontierのPVまでありました)
Huey Lewis & The News(これは今回の追加かどうか自信がないです。ただしiTunes Plusの曲もあり)

 落ち着いて探せばもっとありそうなんですが、もーうれしくてうれしくて冷静になれなくて(バカ)。しかし、The KinksのDestroyerがダウンロードできるようになるとは思ってませんでした。これでSony系が入って、Peter Gabrielあたりが聞けるようになれば天国に……くふふふ!

 で、最初にダウンロードしたのは何かと言うと、Rod StewartのDo Ya Think I'm Sexy?。
わっはっはー、このミもフタもないタイトルとベタベタなディスコサウンド、最高です。しかもこの曲、5分以上あることを知りました。5分間も延々とオレと寝たいならそう言えよと歌っているわけです。やっぱりこのころのRodはいい意味でアホですね。次は何にしようかなぁ。迷って迷って…迷うのがまた楽しいのですよね。

 (そうそう、まだここを見てくれているかわからないけど、Chiara、やっとこさStevieのアルバムが全部入りましたよ。さあ、ダウンロードしほーだいっす。)

6月 16, 2007 80'sまでのロック・ポップス | | コメント (8) | トラックバック (0)

2007年5月 7日

香りさがし

 少し前のことですが、映画「パフューム」を観ました。シネマの囚われ人Goizouさんが「いいよ、これ!」と言っていたので、もりもり期待して行ったのですが、いやぁ、期待の100倍くらいのものがスクリーンから返ってきました。これだから映画ってステキです。

 内容を書くと観てない人にネタばれしちゃうので、全体の印象だけを言うと、とにかく色彩と音楽がすばらしい。といっても、今にも香水の香りが漂ってきそうというのではなくて、当ててある色と音楽が、これ以上はないというくらい場面場面にピッタリなのです。何でもないように見えて、とても丁寧に丁寧に作ってあるのだと思いました。DVD出たら買います。

 ところで香水というと、つけすぎて周囲から冷笑を買ってしまったりして、プラスよりもマイナスの話が多いのですが、日本人は体臭が強くないのと、香りの文化が途中ですたれてしまって苦手分野になっちゃってるので、つけるとしたらパフュームではなくてオー・ド・トワレ以下のほうがいいのかもしれません。つけすぎさえしなければとってもおしゃれだし、私は結構好きです。学校を出て最初に就職したのが旅行会社だったため、免税店で安く買ったり、ガイドさんからミニボトルをもらったりと、20代のころに使うチャンスが多かったせいもあるんでしょう。

 そんな感じで昔お店でよく見たトワレを色々思い浮かべていたところ、中にひとつ、名前もブランドもどうしても思い出せないものが出てきました。わからないと気になって気になってしかたありません。記憶では1度しか使ってないので、よけい頭に残ってないんでしょう。ネットでもあちこち検索をかけてみたのですが、なにしろはっきり覚えているのが、

・濃いグレーのフェルトもしくはビロードのような生地の巾着袋にボトルが入っていた(自信あり)
・箱の色もグレーだった(ような気がする)
・ブランド名も名前も、やや長めだった(ような気がする)
・男性用、あるいはユニセックスだった
・香りはややオリエンタルなスパイシー系。断じてムスク系ではない
・最初に出たのがいつかは知らないが、90年代には普通にお店で買えた(つまりレアものなどではなかった)

という、不確定きわまりない事項だけなので、どうにも埒があきません。うーむ。わからないとますます知りたくなるのが人情です。過去に発売された香水が全部載っている辞典ってないもんでしょうか。

5月 7, 2007 ファッション・アクセサリ, 映画・テレビ | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年4月24日

春のおわり

 はるきち桜もすっかり葉が伸び、小さなさくらんぼが枝の先に現れはじめています。春はただでさえ憂鬱なのに、このところあまり喜ばしくないことが起きたため、芽吹きの時をすっかり見過ごしてしまいました。矛盾していますが、春はキライだけど新芽がふくのを見るのは大好きなのです。うすみどり色にかすんだ木々が春の雨に濡れて、幹が黒々と映えるところなどはたまりません。いとおかし。

 そんなわけでリハビリ(?)にイチゴジャムを作ってみました。本当はこれからが露地ものの季節なのに、最近のスーパーは先取り先取りで、イチゴはもうこの時期になると売り場で脇役に追いやられています。けしからんです。いとわろし。

 イチゴだけでなく、最近は果物づいていて、ドライマンゴーがマイブームです。普通に100gくらいのパックを買っているとあっという間になくなって高くつくので、この間思いきって1kg購入しました。おお大量のマンゴー、マンゴー、マンゴー…スバラシイ。最近は御徒町の乾物屋さんも楽天に出店してたりするので、こういうときは便利です。

 じきにむしむしする雨の時期になるんでしょうが、なんだか今年は春が散々だったので、早く夏になってほしい気持ちです。勝手なもんですね。

4月 24, 2007 なにげない出来事 | | コメント (0) | トラックバック (0)

2007年3月14日

むかし洋楽その(11)― Billy Joel "It's Still Rock And Roll To Me" ―

“俺の着てるモノのどこがおかしいって言うんだ?”
“だからね、そのネクタイ、太すぎると思わないの?”
“じゃ、古くさいタブカラーのシャツでも買おうか”
“ジャイヴの時代に逆戻りってわけね”

Billy Joel "It's Still Rock And Roll To Me"より拙訳

 妹が誕生日のプレゼントに2枚のCDを送ってくれました。1枚がスティーヴィー・ニックスのベスト盤、そして2枚目はビリー・ジョエルの2枚組みベストでした。身内なので面と向かってなかなか言えませんが、私の妹はこういうとてもしゃれたプレゼントをくれる人です。妹であると同時に友達であり、お互いによく解っているからでもあるでしょう。実は数日前にふと、ああビリーの「ピアノ・マン」が聴きたいなぁと思っていただけに、とりわけ嬉しい贈りものでした。

 上のフレーズは、私が初めて買ったビリーのアルバム「Glass House」に収められている曲の冒頭の部分です。もちろん妹からもらったベストにも入っていました。実はまったく記憶になかったんですが、ライナーノーツによると全米No.1にもなっていたようです。

 この曲が出たのはちょうど1980年で、ファッション的には細めのタイがはやっていました。このところネクタイはやや太めが主流みたいなので、この歌詞を見るとああ流行ってぐるぐる回るんだなぁと改めて思います。タブカラーのシャツも少し前から復活してますよね。いかにもロックンロール!という感じのメロディーに乗せて、ビリーはこんな調子で当時のはやりを並べ立て、「なんかみんな流行のサウンドがどうのって言ってんだけど、オレはロックンロール一筋だぜ」とシメてます。

 メロディアスな曲が多かったビリーが、Glass Houseでフィーチャーしたロックっぽい曲のひとつで、軽快で愉快な感じがしますが、会話形式の歌詞に出てくる男女の価値観のズレっぷりもおもしろいところです。男性(たぶんビリー)の基準は“自分が好きなもの(あるいはかっこいいと思うもの)”なのに対して、女性のそれは“とにかく流行ってるもの”なのです。

 流行はスパイスのように取り入れれば素敵になりますが、なにもかもはやってるものだらけで固めると、極めてやぼったく安っぽく軽薄になります。自分にちゃんと基準を持っている人は、自分に何が似合うか(あるいは必要か)も分かっているので、とてもセンスのよい印象を与える気がします。それはファッションだけでなく生活全般、大きく言うと生き方すべてに言えるかもしれません。最近は全世界的総情報過多時代なので、気をつけないとすぐその気になって(させられて)流されてしまいそうですし。

 ビリーのこの曲は、「流されずに生きようぜ」と言っているのかもしれません。

3月 14, 2007 80'sまでのロック・ポップス | | コメント (0) | トラックバック (0)