こげちゃんはだれのもの
その猫は2、3週間前にふらりとやってきました。ある雨の日、遊歩道の見晴らしのいい丸ベンチのそばで顔を洗っていたのです。その日から丸ベンチの下は彼女の指定席になりました。色はチョコレートのように濃いこげ茶で、前足にきれいな縞模様があります。こげ茶のこげちゃんと呼ぶことにしました。
ちちちと呼ぶとにぃーと返事をし、とてもきれいな緑色の瞳でじっとこちらを見ます。初対面の時からこんなぐあいだったので、人馴れしているな、どこかの新しい飼い猫かなぁ、と思っていましたら、馴れているどころかどうも人間が大好きなようなのです。
丸ベンチのそばに現れてからというもの、人間にくっついていないところを見たことがありません。昨日猫おばさんの足元にいたかと思うと、今日はミニスカの女子高生の膝で丸くなっています。背中をこごめて座るおじいさんの膝であくびをしていたこともありました。なんともかわいい眺めではあるのですが、毎日先客がいるのでなかなかお近づきになれません。
一週間ばかりたった金曜日の夕方、めずらしく丸ベンチのまわりが閑散としていました。おじさんが一人だけ悠々と寝そべって文庫本を読んでいます。おじさんは勤め人なのか、そばに止めてある自転車に脱いだワイシャツとネクタイをぽんとひっかけ、ランニング姿でくつろいでいました。金曜の夕方を満喫する方法としてはちょっと見習いたい風情です。
さて、こんな雰囲気だとこげちゃんはベンチの下に寝そべっているかもしれません。今日こそアゴの下ナデナデくらいできるかなぁときょろきょろ探してみたところ、ちゃーんといました。
おじさんのオナカの上に。
色々な意味で、そのおじさんには完敗&乾杯です。
8月 14, 2006 動物 | Permalink | コメント (6) | トラックバック (0)




